苗場山周辺 猿面峰(1832m)、横山(1379m)、松ノ峰(1211.7m) 2014年5月24日 デジカメ紛失のため写真無し  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:44 林道終点−−6:58 林道を離れる−−07:07 残雪でルートを失う 7:12−−8:54 猿面峰(休憩) 9:10−−9:45 登山道を離れる−−10:19 横山(休憩) 10:39−−11:43 松ノ峰(休憩) 12:08−−12:12 尾根を離れる−−12:21 デジカメ探索 12:50−−13:12 林道−−13:20 林道終点

場所長野県下水内郡栄村
年月日2014年5月24日 日帰り
天候
山行種類籔山
交通手段マイカー
駐車場登山口の路側に駐車
登山道の有無猿面峰まではあり。横山、松ノ峰は無し
籔の有無登山道から横山〜松ノ峰間は濃い灌木藪。この時期だと残雪はほとんど無かった
危険個所の有無無し
山頂の展望猿面峰は大展望だが横山、松ノ峰は無し
GPSトラックログ
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コメント硫黄川左岸沿いの林道終点から苗場山に登る登山道を使って猿面峰に登り、帰りに登山道を外れて横山、松ノ峰と歩いて林道に下った。猿面峰より上部は豊富な残雪があったが横山の尾根上はほとんど雪が溶けてしまい強固な灌木藪漕ぎ。ここを籔無しで歩くなら4月までだと思う。地図を籔に奪われるし眼鏡は何度も飛ばされるし、籔とは関係ないがデジカメを紛失してしまった




 なぜか苗場山周辺には猿面峰が2つあり、佐武流山に近い登山道が無い2000mを越える方は既に登っているが苗場山北側の夏道がある方は未踏だった。5月下旬、まだ残雪が期待できる時期に出かけることにした。ついでに西に伸びる尾根上にある横山と松ノ峰も狙う、というよりこちらがメインだ。地理的、地形的にここで残雪を期待するには時期が遅いことは分かっているが、藪漕ぎは下り方向でやる予定なので我慢の範囲だろう。

 過去にDJFが大赤沢新道経由で猿面峰を登っているのでアプローチはそれを参考。硫黄川を渡り国道から左に分岐する舗装された道に入って奥へと上がっていく。そして舗装が終わる場所で右手に荒れた林道が分岐、ここが登山口だ。小さな案内標柱がある。地元と思われる軽トラが1台止まっていたが山菜取りだろうか。

 おそらく今日のルートでは大した残雪は無いと予想したが、念のためピッケルを持ちアイゼンは使えるか分からないが6本爪をザックに入れる。

 出発してしばらくはなだらかな廃林道歩き。やがて右手の斜面に登山道が分岐、ここにも案内がある。これまでの廃林道のようにトラバース気味に斜めに上がっていく。柔らかい土の上には真新しい足跡が。軽トラの主らしいがまさか山登りが目的だろうか。人間の足跡の他に動物の足跡が一緒だが犬だろうか。

 やがて残雪に埋もれた小さな谷が登場。ここで夏道が広範囲で雪に埋もれてルートがわからなくなる。この時期の残雪なので硬く先人の足跡は判別できず、犬らしき動物の足跡だけかろうじて分かる程度。とりあえず犬の足跡を追って上に向かうが道の続きは見られない。右手(西)の斜面にもそれらしき道は無い。最初は東斜面にも道を見出すことはできなかったが、よ〜く見ると木に赤い目印が。ここだけは道が薄くて地面を見ても道の有無を判別できなかった。この目印が無かったら適当に尾根を登っていただろう。大助かり。

 ここまではトラバース気味の斜め左に上がってきたが、ここから先はジグザグに高度を一気に上げて尾根に乗る。もう登山道は明瞭になり失う心配も無くなる。柔らかい土の上には人と動物の足跡が続く。もうかなり先行しているだろうか。

 3、4、5合目と標識があり、次の標識までの所要時間も書かれていた。樹林帯の尾根を登っていくが標識のところは僅かに開けていたような記憶が。やがて右手の斜面に残雪が現れ、横山へと続く尾根が見える。横山までは大した距離は無く、藪漕ぎでも何とかなりそうだ。ここは下りで突入する予定で、まずは猿面峰を目指す。

 位置的に傾斜が緩まる場所では残雪が登場するがアイゼンを使うほどではなく登山靴のエッジを使って登っていく。先行登山者の足跡も同じ行動形式だ。動物の足跡はここでもあり、ますます犬の可能性が高まってきた。おまけにカモシカの足跡があるが、これはエッジが溶けているので少し古めで今朝のものではないだろう。

 猿面峰が近づくと雪が頻繁に現れるが、尾根の傾斜がきついせいか長続きしないで夏道に突入したりする。やがて雪に覆われた丸いピークが登場、てっぺんに人の姿が見える。ここが猿面峰に違いない。ほどなく登りきって猿面峰到着。予想通り登山者の傍らには犬。最初は吼えられたがご主人様と私が歓談している様子を見て敵ではないと理解したらしく、おとなしくなってくれた。今日は天気はいいし気温は低くは無くシャツ1枚で寒くはないが、犬はじかに雪の上に寝転がっていた。さすがに人間にはこれは無理だろう。男性は地元の人らしく苗場山にはあちこちから登っているようだったし、隣の鳥甲山にもつい最近五宝木から登ったとのこと。新潟県内はあちこち登っているようだった。雪に刺したピッケルは木のシャフトで妙に長い変わった形状だったが自作だろうか? 男性は軽アイゼンを装着して苗場山へと向かっていった。犬は「4WD」でアイゼンは不要か。

 休憩しながら地形図を見て松ノ峰からの下山ルートを検討。いちばん簡単なのは松ノ峰から西に落ちる尾根を末端まで辿ることで、男性はここから登ったそうだが、そこまで下ると車までかなり登り返す必要がある。だからと言って山頂から直接北に下ろうと思っても等高線が詰まっていて崖の可能性がある。その等高線が混雑した地帯を西側から迂回して下るのが一番楽なルートのようだ。少しだけ西尾根を下って傾斜が緩いところで北にトラバース、そのまま斜面を下れば林道にぶつかる。これなら林道歩きは30分もかからないだろう。

 休憩を終えて横山の稜線へ向かう。登山道を下っていると小赤沢沿いの除雪された林道と途中の駐車場の車のガラスが日光を反射して輝いているのが見えた。あちらは数台の車があるようだ。男性の話では今の時期なら夏道ではなく小赤沢沿いを登って鞍部に出るのが最短ルートだとのこと。そのコースはまだまだ雪が豊富だ。それと比べて横山の雪の少なさ・・・。

 下山もノーアイゼンで踵を利かせてブレーキをかけながら下っていく。左手の地形に注意しながら下り、標高1400m付近で短距離の根曲がり潅木藪を突っ切って残雪の緩斜面に降り立つ。ここからしばらくは尾根が広がって残雪を拾うことができ藪漕ぎ不要だが、その先は雪が残っているだろうか。

 1330m鞍部で雪は消え、その先の尾根の立ち上がりは全く雪はなかった。下側に幹が曲がった根曲がり潅木が生い茂っているのが見えて気分が萎える。しかしこれを覚悟で今日はやってきたので覚悟を決めて藪に突入。その前にもう出番は無いだろうピッケルはザックの横ではなくザックの中にしまった。ただし石突がはみ出るのはしょうがなく、これが潅木藪に引っかかって鬱陶しかった。

 この尾根は笹も混じるが潅木がメインだった。尾根の傾斜がある区間はマシな方で水平移動の区間の藪はかなり強固だった。石楠花もあったし名前は不明だが背の低い照葉樹は石楠花以上にやっかいだった。地面付近から広い範囲で枝を横に張り出しているので避けようがない。しかも枝が密生していて中に突っ込むのは不可能で、上から踏みつけるようにクリアしていく。マンサクの潅木などはちょろい部類だ。猿面峰の男性はこの尾根も歩いたことがあるといっていたが、残雪で藪が埋もれる4月に歩いたとのこと。そして熊に追いかけられたとも話していた。この時期のこの藪では熊でも漕ぐのは苦労するだろうから、たぶん尾根上には熊はいないだろう。。

 横山手前まで来てやっと北側斜面に残雪が登場、尾根直上から残雪に逃げてほっとする。ピッケルがあると安心できる場面だが出すのが面倒なので適当な枯れ枝で代用。そのまま残雪帯を山頂北側直下まで登り、最後は僅かに藪を歩いて横山山頂に出た。

 ここには三角点は無く他にも人工物は皆無。目印すらなかった。DJFは積雪期にラッセルに苦労しながら登ったようだがそのときに目印を残したはずだが、かなり前の話なので千切れて無くなってしまったのだろう。今は人の形跡は皆無。せっかくなので赤テープを残したが次に登るのはどこの誰だろうか。山頂の少し西側で潅木が薄まった場所で休憩。今ごろは苗場山に登っている連中は残雪歩きで楽しいだろうなぁ。こちらは虫除けスプレーで虫を避けながら藪漕ぎ。なんと大きな差だろう。

 さあ、次は松ノ峰。ここからさらに標高を落とすのでこれも藪漕ぎ続行が確定。GPSに松ノ峰の緯度経度を入力すると距離は1km強。ズボンを履いていても既に脛は傷だらけ。左足には引っかき傷まであったし右足にはあざができていた。こんなに早く本格的藪漕ぎシーズンを迎えるとは・・・。

 予想通りこれまでと変わらぬレベルの潅木藪が続く。短距離だけ笹が中心の区間が登場すると劇的に進行スピードが上がるが長続きしない。逆に猛烈な潅木藪がちょろちょろ登場し劇的にスピードが落ちる。石楠花の花が目を楽しませてくれるが花が咲いていても石楠花の藪の強固さは変わらない。横山から松ノ峰間は大きな高低差が無く重力の助けが得られないので藪漕ぎには不利だった。メガネが何度か飛ばされ、靴紐は2重に結んでも何度も解けた。

 途中で現在位置を確認しようと右ポケットに入れておいた地形図を取り出そうとすると無い! どこをどう探しても出てこない。どうも潅木をかい潜ったときに藪に取られたようだ。この状況で地図が無いのは痛いが残りは松ノ峰だけ。GPSに山頂位置は入っているし、猿面峰で休憩時におよその下山ルートは頭に入っている。ヤバそうなのは松ノ峰北側斜面だけなので、それを避けるようにすれば問題ないだろう。どのみちここまで来たらあの藪を戻るのはごめんだし。続行決定。

 潅木藪は標高が落ちるとやや勢いを弱めたようにも感じるが大きな差は無いといって良いだろう。ただ、松ノ峰が近づくと薄っすらと獣道が登場する。特に1230m付近より西側では藪の中に明らかな筋が認められた。筋の有無で藪漕ぎの労力は大きく変わる。

 地形図を無くしたので正確な山頂地位はGPSに頼るしかない。横山で緯度経度を入力しておいてよかったぁ。ただし三角点がある場所がどんな地形かまで記憶していなかったので、顕著なピーク上にあるのか少し下った場所にあるのか分からない。

 1220m肩より先は明らかな下りが始まったが、GPSは山頂位置を西へ約30mと表示していた。ただしGPSにはこの程度の誤差があるのでこの付近に三角点があるかもしれないと肩一帯を探してみたが発見できず。この付近の潅木はそれほど濃くないので三角点を見落とす可能性は低い。GPSに従ってもう少し下がってみようと濃い潅木藪に突入、視界が無いので方向を外し北西へ向かってしまったが、下りが急激になって異常に気づき左へ進路修正、根曲がり潅木藪のトラバースはきつかった。

 正しい尾根に乗って僅かに下ったところで狭い範囲だが不意に潅木が無くなった空間が出現し、その真中に三角点が鎮座していた。ここが地形図上の松ノ峰。しかしここは肩ではなく明らかに斜面。山頂としては先ほどの1220m肩が相応しいだろう。しかし藪を漕いで登り返すのが面倒だったのでおなじみの白い三角点標柱に赤テープを巻いた。この樹脂製標柱には引っかいたかかじられたような傷があったが動物の仕業だろうか。しばしここで休憩。ここは高い木が無く細い潅木ばかりで日差しが暑かった。

 さあ、問題の地図無しでの下山。ここから数10m下って適当に北斜面にドロップだ。まずは尾根を外さないよう西へ直進。何となく獣道があるような無いような状態が続き、やがて右手の斜面(北斜面)の藪がきれいさっぱり無くなって背の高いブナ林に変わる。斜度はまあまあ急だがトラバースできないレベルではないので、ここで北斜面を下ることにする。

 地面付近は藪は無くブナの落ち葉のみ。急峻なので滑らないように慎重に進んでいき、できるだけ途中のブナを支点に利用する。ただ、この斜面はブナが密生しているわけではなく木と木の間隔が広い部分が多くあり、そこだけは石や矮小な木を手がかりとする。車を置いた場所はここより東側のはずなので、直線的に下らずに大きく右にトラバースしていく。急斜面が終わって安心して歩けるブナの斜面に変わり、なおも右にトラバースしつつ高度を落としていくと小尾根が登場、一度これに乗って向こう側に降りようとしたが法面状ですぐには下れなかった。

 ここで写真を撮影しようとウェストポーチからデジカメを取り出そうとしたら無い! 最後に撮影したのはトラバースの急斜面が終わってこの小尾根が見えた場所のはず。ただ、そこは尾根上ではなく斜面のトラバースなので歩いてきた場所が正確にトレースできない。過去に何度かデジカメを落として探すのに苦労した経験があるが、歩いたルートがどんぴしゃで分かっていても簡単に見つかるものではない(雪の上なら簡単だが)。今回ばかりは発見できない可能性が高いと最初から覚悟。とりあえずそれらしき場所をトラバースで登っていきデジカメが落ちていないか2往復したが発見できなかった。もし斜面を転げ落ちたのだったら落とした場所がピンポイントでわかっていない限りは発見はほぼ不可能だろう。

 このコンパクトデジカメは7年も使ったので元は十分取っているし(たぶん価格は3万円程度だったと思う)、最近はCCDにごみが入ったようでレンズにごみがついていないのに特定の部分に影が出るようになっていたので、そろそろ買い替えを考えていたくらいだから金額的な損は感じなかったが、出発からここまで撮影した画像がもったいない。こんな山を登った記録はネット上にはDJF以外にはあり得ないし、ましてや無雪期の記録は皆無だろう。それに明日予定の山も写真無しが決定。私は予備のデジカメもスマホも持っていない。まあ、自分のミスが原因なので諦めもつく。

 デポしたザックに戻り、尾根から下りられそうな場所を探して少し進み、木に掴まりながら下れる場所を発見、下は雪が詰まった小さな谷で、最初は左に進んだが駐車場から離れる方向なので逆戻りして右へ。適当に斜面を登って北側を見下ろすと潅木が少ない自然林の緩い斜面だ。これを下っていけばどこかで林道に出るはず。尾根上の潅木藪とは打って変わって歩きやすい。

 やがて平坦になると杉の植林に切り替わえい残雪が現れる。このまま直接北上は僅かに登っているので右手に進んで微小鞍部を越えて北上すると林道登場。そこから10分ほどで車を置いた場所に到着。犬を連れた男性の軽トラはまだあった。

 

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